「まさか、公金を選挙区で…」 領収書の謎から始まった県議との攻防

 4年に1度の統一地方選で、有権者の判断材料の一つとなるのが「政治とカネ」を巡る問題だ。香川県議会では1年あまり前、県議ら29人が、過去に支払った総額2千万円もの政務活動費を一斉返還する異例の事態が起きた。きっかけは、市民オンブズ香川が税金が原資の政活費の使い道に疑問を呈したことだった。この問題を追及してきた事務局長の渡辺さと子さん(69)に思いを聞いた。

 「なんだこれ」。2014年夏、香川県庁の議会棟で、情報公開で開示された領収書を閲覧した渡辺さんは驚いた。

 領収書は県議らが「県政の調査研究に関連した支出」として議長あてに提出したものだ。その支払先に祭り実行委員会、ゴルフ、カラオケの同好会、自治会、老人クラブと記されたものが何枚も見つかった。いずれも支払額は1万円か5千円。領収書の書式は同じで、同じ日に20団体近くに支払った県議もいた。

 「議員活動で様々な人と意見を交わすことは大切。でも、これらの団体から意見を聞くために参加費を求められるのだろうか」

 渡辺さんは、市民団体の後押しで95年から県議を15年あまり務めた。当時、同僚議員が「わしらは色んなところへ祝儀を出さないかんから大変だ」とつぶやいていたことを思い出した。

 「まさか、公金を選挙区にばらまいていたのか」

 これが多数の県議が地元の会…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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