「やっと見つかったね」 発生から72時間、捜索現場に手を合わせ

【動画】輪島市河井町地区の捜索活動=内田光撮影

 能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市河井町では4日、生存率が落ち込むとされる「発生後72時間」を前に警察などによる懸命な捜索活動が行われていた。

 4日午前9時ごろ、冷たい風が海の方から強く吹く中、河井町にある倒壊した民家で兵庫県警の警察官が捜索にあたっていた。

 チェーンソーなどで大ぶりな建材を取り除きつつ、慎重な手作業を続けていた。

 河井町は「輪島朝市」がある場所として有名な観光名所だが、地震による火災もあり大きな被害を受けた。

 河井町に住む男性(76)は地震発生直後に自宅の一部が倒壊し、妻が下敷きになったという。「妻は近所の人たちの助けで奇跡的に救助された。命があって本当に良かった」と話すも、変わり果てた町の様子を眺めながら「言葉が出ない。これからどうしていけばいいのか」と途方に暮れていた。

 珠洲市宝立町でも4日夕方、倒壊した建物を消防隊員らが捜索していた。

 手を合わせ、その作業を見守っていた浜喜代美さん(69)によると、そこには理容室を営む夫妻が住んでいたという。

 捜索により遺体が見つかると「やっと見つかったねぇ」と一人つぶやいた。夫妻は地域のことに詳しく、浜さんと雑談をすることもあった。

 この建物の隣では浜さんの親戚が暮らしていたが、今回の地震で亡くなったという。「近くの方ばっかり。どうするこれ……」と、浜さんは声を震わせた。内田光、友永翔大)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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