「ゆりかご」に預けられた男性らが「大学設立」 命の大切さも教える

 「こうのとりのゆりかご」を運営する慈恵病院(熊本市)で1人目に預けられた宮津航一さん(19)と、ゆりかご開設時の看護部長だった田尻由貴子さん(73)が10日、「子ども大学くまもと」を設立した。独自の試みとして、命の大切さや性教育について扱う「いのち学」についても教える予定で、来春の開校をめざす。

 子ども大学は、子どもが大学の教室で各界の専門家の授業を受ける取り組みで、ドイツが発祥。日本では埼玉県東京都国立市などで行われている。田尻さんが2020年に国立市で講演した際、関係者から熊本での開校をすすめられ、交流のあった宮津さんに声をかけたという。

 理事長に就任した宮津さんは、10日にあった設立会見で自身の生い立ちに触れ、「大変な思いをした子といったイメージを持たれているかもしれないが、私は周りの人のおかげで様々なことを体験し、幸せを実感した」「全ての子どもたちが、置かれた環境で区別されず、寄り添ってくれる大人と出会い、チャンスを与えられるようにしたい」と話した。

 大学は来年3月に開校予定で、第1回は熊本市内の大学で開く。年2回ペースで開講し、他の子ども大学を参考にした持続可能な開発目標(SDGs)などについての授業に加えて、命の大切さや性教育についても教えるという。

 授業料無料での開催をめざしており、協賛を受け付けている。個人は1口3千円、企業は3万円。問い合わせは事務所へメール(kodomodaigaku.kumamoto@gmail.com)または電話(090・4588・4666)。(杉浦奈実)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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