「ウクライナの人々は助けるべきだが…」日本の難民行政、際立つ落差

 ウクライナから日本への避難者が、3カ月足らずで1千人に達した。仕組みの違いはあるが、40年間で915人の認定にとどまる難民行政の消極性を際立たせる結果にもなっており、抜本的な政策転換を求める声が上がっている。

 「屋根とバルコニーがなくなった」。ウクライナ南部出身のブリトキナ・ナタリアさん(50)は16日、自宅の集合住宅が砲撃されたと、現地に残る住民から通信アプリで知らされた。

 ナタリアさんは4月9日、日本政府が借り上げた民間機で来日し、埼玉県越谷市の娘夫婦の家で暮らす。「日本は静かで平和」と笑顔を見せるが、「救急車やパトカーが通ると空襲警報を思い出す」という。情勢が落ち着けば帰国するつもりだが、自宅が被害に遭い、不安が募る。

 日本ではコロナのワクチンを受けたり、ビザの切り替えを行ったりしつつ、家事をこなす。言葉の壁はあるが、近所のスーパーに1人で買い物にも行けるようになったという。

 「日本にはとても感謝している」とナタリアさん。一方で「ウクライナ以外の難民も受け入れてあげてほしい」という。

「難民政策の転換点に」

 政府は、ウクライナの人たちを法的な根拠があいまいな「避難民」と位置づけて手厚く保護し、「難民」とは区別している。

 難民条約に基づく難民は、人種、宗教などを理由に自国で「迫害」を受ける恐れがあって他国に逃れた人と定義される。

 日本は1982~2021年…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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