「カレー屋さん始めるのが夢」難民申請中のリヴィさん、30食に思い

織井優佳

 「難民」を身近に感じ応援する機会にと、神奈川県鎌倉市御成町の「まちの社員食堂」に12月12日、1日限りの「なんみんカフェ」がオープンする。難民申請中で市内の施設に身を寄せているスリランカ人、リヴィさんが作る本場のカレーが登場し、カンボジアコーヒーなどの販売もある。

 カトリック教会を母体とする海外ボランティア派遣団体「JLMM」と地元のIT企業カヤックが企画した。会場の食堂は、鎌倉に拠点を置く企業や団体が、鎌倉で働く人向けに運営しているが、この日だけは観光客も利用可能になる。

 リヴィさんが鶏肉や野菜、カルダモンやガラムマサラなどのスパイスを使って香り高く仕上げたカレーは、事前予約制の30食限定。食べるには材料費の500円に加え、鎌倉のコミュニティー通貨「まちのコイン」の300クルッポが必要だ。リヴィさんは難民申請中で就労できないため、日本円ではなくクルッポを全額渡し、「社会に参加し、求められている実感」を味わってもらう。まちのコインを使ったことがない人も、専用アプリをスマートフォンに新規ダウンロードすれば500クルッポがもらえる。

 リヴィさんは「みんなにおいしいと言ってもらえたらうれしい。ビザがもらえたら、カレー屋さんを始めるのが夢」と張り切っている。このほか、当日の会場ではJLMMの主な活動拠点になっていたカンボジアのコーヒーの試飲(200クルッポ)や販売(ドリップパック3袋500円)、カンボジア製黒こしょうの販売(50グラム1200円)などもある。午前11時半からと午後1時からの2部制で、営業中はリヴィさんも店内にいる。

 参加予約などの問い合わせは、JLMM事務局にメール(jlmm@jade.dti.ne.jp)で。(織井優佳)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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