「ガン無視」されても街で叫ぶ 性暴力の無罪に憤怒した

 花を手に、性暴力に抗議の意を示す「フラワーデモ」が広がっている。昨年4月11日、性犯罪の無罪判決が相次ぐ事態に憤った人たちが、東京駅前の広場に集まったのが始まりだった。その後デモは毎月11日の開催日ごとに増え、各地で人々が静かに街頭に立った。組織された運動ではない。たくさんの「1人」がそれぞれの土地で立ち上がり、輪がつながった。

 40都道府県でデモがあった2月11日、富山市の富山駅前。約20人が花と「#MeToo」「#WithYou」と書かれたプラカードを持って立った。その1人、大学生の吉岡星(せい)さん(23)は「これからも力を寄せてもらえたらありがたいです」と呼びかけた。

 「性暴力をなくし、被害者に寄り添う社会に!#WithYou #MeTooの声をあげましょう!お花や花柄の服を身につけるなどしてお越しください」。昨年10月、1人でツイッターを発信した。

拡大する「#MeToo」「#WithYou」と書かれたプラカードと花を手にする参加者=2020年2月11日、富山市新富町1丁目、竹田和博撮影

 これまで元恋人によるストーカー殺人や、芸能人の未成年に対するわいせつ行為などの事件が起きるたび、女性側が自衛策を強いられ、被害者が批判されてきた。さらに昨年3月、性暴力事件で無罪判決が相次いだ。衝撃を受け、怒りがこみ上げた。

 大学がある大阪のデモに参加し、「私も声をあげる1人になりたい」と強く思うようになった。地元の富山を「空白地」にしたくない、現状に抗議したい人はいるはず、と信じてデモを決意した。

 当日、雨の中を6人が来てくれた。思いを分かち合える人に出会えたことが心強い。

「痴漢や性暴力は身近に起きているのに」

 奈良県でも昨年11月、大学生のツイッターからデモが始まった。帝塚山大学(奈良市)法学部1年の飯沼莉子さん(19)。大きくなるにつれ、まだ男女平等が立ち遅れていることを感じてきた。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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