「コンビニ+本屋」で本の灯を守れるか ローソンが100店舗計画

 人口約5千人、65歳以上の高齢化率が4割を超える青森県田子町(たっこまち)に2月、新たな「本屋」が誕生した。仕掛け人はコンビニ大手のローソン。「書店過疎地域」で、いまあえて本を売る理由とは。

 田や畑に囲まれた道沿いに立つ「ローソン田子町店」。表から見ると一見、少し広めのローソンの店構えだが、中に入ると、左側にずらりと本が並んでいた。

 雑誌やコミックなどは約6千タイトル。93坪の売り場のうち23坪が書店スペースで、駅前の書店や商店街にある比較的小規模なまちの書店ほどの規模感がある。営業時間はコンビニと同じ24時間。通常の書店と同様に図書カードが利用でき、本の取り寄せもできる。

 この店は、ローソンが手がける「LAWSONマチの本屋さん」。人口比で書店が少ない地域への出店を手がける。

 田子町がある三戸郡は青森県の最南端で岩手、秋田との県境にあり、2016年まで五つの書店があったが、現在は三つに減少。人口1千人当たりの書店坪数が全国平均に対して1割程度で低水準だったことから選ばれた。

 地元住民からは、「お目当ての本を買う時には、車で1時間ほどかかっていた。近くにできてありがたい」「東北出身の芥川賞に選ばれた佐藤厚志さんの小説がすぐに読めてうれしい」と喜びの声が届く。

 ただ、全国的には書店の経営が成り立たず、次々に街から姿を消している。ローソンに勝算はあるのか。

ビジネスとしての書店 勝算は「20坪の広さ」

 狙いは、本屋がない地域にコ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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