「人助けやねん」貯金箱を差し出した女性 JA職員に迷いはなかった

 昨年の暮れ、年末のあいさつもかねて60代の女性宅に顔を出した。

 畠山晴年(はると)さん(25)は、JAならけん五條支店(奈良県五條市)の渉外担当。この女性宅を訪問するようになって1年以上になる。

 女性がこの日、スマホでユーチューブ動画を見せてくれた。

 チェロ奏者の演奏動画だった。「本人とやりとりしてんねん。楽しいわ」

 インスタグラムで知り合ったという。スマホ画面をのぞくと、女性は「ハニー」と呼ばれているようだった。

 年が明けてから。再び女性宅に顔を出すと、雲行きが怪しくなっていた。

 チェロ奏者を名乗る男から「裁判沙汰になっていて、弁護士費用を払ってほしい」と頼まれたという。

 畠山さんは、チェロ奏者のアカウントを確認した。トラブルを抱えているはずなのに、新着の動画がいくつかアップされていた。普通なら目立たなくするのに。怪しいと思って「絶対に振り込まないで下さいね」と念押しして、女性宅を後にした。

 しかし、1月29日。開店まもない午前9時半ごろ、女性が五條支店に慌てた様子で駆け込んできた。

 「30万円を振り込みたい」。対応した畠山さんに、銀色の貯金箱を差し出してきた。50万円まで500円玉貯金できるタイプ。ほぼ満杯だった。

「詐欺でもいい」「自己責任でもいい」

 「今すぐ振り込んでくれない…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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