「何かあってからでは遅い」学校の安全願う祖父 防球ネット事故1年

 宮城県白石市の市立白石第一小学校で、校庭の防球ネットの支柱が折れ、直撃した児童2人が死傷した事故から27日で1年となった。市は4月27日を「学校安全の日」と定め、市内14の小中学校や幼稚園などで、児童や教員の安全意識を高める集会を開き、安全点検などを行った。

 同小では午後1時半ごろ、体育館と一部オンラインで集会を開き、2~6年生約290人が集まった。今年4月に同小に赴任した千葉英一校長は「痛ましい事故を二度と起こさないよう、安心安全な学校づくりに取り組んでいく」と語った。その上で「危ないと思う場所があったら、小さなことで構わないので先生に教えてほしい」と呼びかけた。児童らは静かに話を聞き、黙禱(もくとう)した。

 事故は昨年4月27日午後3時ごろ起きた。市教委などによると、放課後の校庭で、男子児童数人が防球ネットに寄りかかるなどして遊んでいたところ、ネットを支える木製支柱1本が折れ、児童2人に直撃。6年生の松野翔慎さん(当時11)が頭を打って死亡し、もう1人はあごの骨を折るなどの重傷を負った。

 教職大学院教授や1級建築士らによる市教育委員会の事故調査委員会のまとめによると、支柱は1989年に設置されたと推測される。木製電柱を再利用したとみられ、表面には多数の亀裂があり、支柱内部まで達するものもあったという。

 教職員らは毎月、支柱を点検していたが、危険は見逃されていた。

 調査委は、学校に設置物の情報を登録する仕組みがなく、教職員らが支柱の古さを認識できていなかったことや、教職員に点検の専門知識がなく、具体的なマニュアルもなかったことが、見逃しにつながったと結論づけた。

 市教委はその後の昨年11月…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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