「優勝とは思わなかった」解説者も驚く なぜ甲府は天皇杯を制したか

 激闘の末、天皇杯のタイトルを初めて奪取したサッカーJ2のヴァンフォーレ(VF)甲府。16日の決勝(日産スタジアム)では、J1サンフレッチェ広島を相手に最後はPK戦で優勝をつかんだ。選手、スタッフたちは経営危機や成績低迷と向き合いながら、地域とともに歩んできた。

 天皇杯の初優勝から一夜明けた17日、VF甲府の選手らは山梨県昭和町のグラウンドで練習を再開した。7連敗と苦戦が続くJ2のリーグ戦は19日と23日の残り2試合。出場権を得た来年のACL(アジアチャンピオンズリーグ)に向け、いい形で終えられるか。

 決勝メンバーはランニングのみの軽いメニューをこなし、勝利につながる奇跡的な守備を見せたGK河田晃兵らはシュートを止める練習に汗を流した。河田は練習後の取材に「奇跡が重なってとれたタイトル。リーグ戦が残っており、準備をしたい」と気持ちを引き締めていた。

 FW三平和司はアフロの髪形とユニークなパフォーマンスも注目の的に。「うれしい半面、髪形を変えられなくなった。年内でやめるつもりだったのに。アジアだと同じような髪形の選手もいそうで、あまり目立たないじゃないですか」。延長後半でハンドの反則をとられて広島にPKを与えた一方、PK戦の5人目として勝利のシュートを決めたベテランのDF山本英臣は「(反則で)僕のサッカー人生が終わったと思いました。(広島のPKを止めた)河田には感謝しています」と振り返った。

 VF甲府によると、ホームのJITリサイクルインクスタジアム(甲府市)は「背もたれが付いた観客席が5千席以上」などとするアジアサッカー連盟(AFC)の基準を満たしていない。現状ではACLの試合会場として使えないため、代替会場として東京の国立競技場味の素スタジアムなどが候補に挙げられている。

 リーグ戦は19日にアウェーで町田、23日の最終戦はホームで岩手と戦う。(佐藤靖)

サッカー解説者・早野宏史さんが勝因を分析

 「優勝するとは思わなかった」。そう語るサッカー解説者の早野宏史さんにVF甲府の勝因を分析してもらった。

記事後半では早野さんの分析のほか、優勝の喜びに包まれた山梨県内の様子を紹介します。

 先制点はデザインされたセッ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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