「公正さ軽視」風化した教訓 透明性確保へ、スポーツ界は変われるか

 東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの大会組織委員会で2016年まで総務局長を務めた雑賀真さん(67)は、組織委元理事の高橋治之被告(78)による汚職事件を報道で知った。悔しさがこみあげた。

 「こうした不正を防ぐための仕組みを作ったはずなのに」

 15年、組織委で大会エンブレムを巡る問題が起きた。デザイン案の公募を発表する前に、特定のデザイナーに参加を要請するなど不適切な対応が発覚。関与した電通出身のマーケティング局長ら2人が退任を強いられた。

 組織委は有識者によるチームを立ち上げ、報告書をまとめた。

 「公正さや透明性といった観点が極めて強く要請される公的なイベントであるとの認識が不足」「手続きの公正さを軽視し、コンプライアンス(法令や社会規範の順守)に目をつぶる、なりふり構わぬ働きぶり」。厳しい指摘が並んだ。

 改革案も示した。監査部門を事務総長の直轄とし、主要な事業のすべてで法的な問題がないかを確認する仕組みだ。チーフコンプライアンス・オフィサー(CCO)に就いていた都庁出身の雑賀さんは、こうした改革の事務局を担った。

 強い決意で出直しを図ったは…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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