「大阪都構想」世論が賛成に傾いた理由 創業者・橋下徹氏いないのに? 菅首相の怒りが再挑戦のきっかけに(withnews)

創業者・橋下徹氏は前面に出ず……でも「都構想賛成が有利」のなぜ

9月29日、興味深い世論調査の結果が出ました。朝日新聞と朝日放送テレビが9月26、27両日に実施した大阪市民を対象にした電話による世論調査です。大阪都構想の是非を問う住民投票では、廃止対象となる大阪市民が有権者になります。 調査はその大阪市民を対象に行い、935人の有効回答を得ました(回答率58%)。大阪都構想の賛否を聞いたところ、賛成が42%、反対が37%。都構想の是非を問う前回2015年の住民投票を前にした3回の世論調査では、同趣旨の質問にいずれも反対多数の傾向でしたが、今回は賛成が多い結果になりました。 今度の住民投票は、維新にとって「2度目の挑戦」となります。1度目は5年前の15年5月でした。投票結果は「反対」が70万5585票、「賛成」が69万4844票。わずかの差で、都構想は否決され、実現しませんでした。 このとき、都構想の旗を先頭で振っていたのは、橋下・大阪市長でした。盟友の松井一郎・大阪府知事(現・大阪市長、日本維新の会代表)と二人三脚で住民投票の実施にこぎつけました。しかし、結果は「敗北」。橋下氏は大阪市内のホテルで松井氏とともに記者会見し、こう語りました。 「いやあ、これは僕自身に対する批判もあるだろうし、やっぱりその僕自身の力不足ということになると思いますね」 そして、政界引退を正式に表明。同年末の大阪市長の任期満了とともに政治家を辞めました。維新という異色の政党を引っ張ってきたカリスマの退場で、大阪都構想の「夢」はついえたかに見えました。 しかし、それから5年。再び住民投票が行われることになり、さらに告示前の世論調査で「賛成」が5ポイントリードという情勢に。当然ながら橋下氏は今回、政治家として表舞台で都構想推進の旗を振っていません。それでも、都構想実現の可能性はむしろ高まっていると言えるでしょう。 カギとなっているのは、吉村洋文・大阪府知事の存在です。吉村氏の存在は、5年前との政治環境の違いの最大のポイントと言えます。 吉村氏は前回の住民投票のときは、国政政党「維新の党」に所属する衆院議員。「無名」と言っていい存在でした。大阪府出身で弁護士として活躍していましたが、都構想に共鳴して2011年の大阪市議選で維新公認で初当選。2014年の衆院選で国政に転じました。その後、2015年11月の「ポスト橋下」を選ぶ大阪市長選で、橋下氏から後継指名され、松井府知事とタッグを組む格好になっていったのです。 その吉村氏は昨年春の大阪府知事・大阪市長のダブル選で知事に転じました。そして、「コロナ禍」で各地の知事の施策が注目を浴びるなか、歯切れのいい語り口などで人気が急騰。今回の住民投票に向け、橋下氏に代わって都構想推進派の「顔」となっており、「吉村人気=都構想支持」という構図になっています。 実際、朝日新聞と朝日放送テレビの世論調査では、吉村知事のコロナ対応を「評価する」が81%に上り、「評価しない」は11%でした。さらに、吉村知事の支持率は75%で、不支持率は15%にとどまっています。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

Japonologie:
Leave a Comment