「子どもの声は騒音ではない」を法制化 ドイツにもたらされた変化

 子どもの声や学校からの音が「騒音」だとして、地域住民との間でトラブルになるケースが国内で報告されています。かつて、子どもの声や音をめぐる訴訟が相次いだドイツは、法改正で「子どもの声は騒音ではない」と定めました。どんな経緯があったのでしょうか。

 「ドイツでは、子どもの声は騒音ではないという法律もあるそうです」。4月の衆院厚生労働委員会岸田文雄首相の子育て政策をめぐり、小泉進次郎氏(自民)がこう切り出した。

 小泉氏は法律を評価し、「子どもや育児中の人の肩身の狭い思いを軽くする環境づくりを」と述べ、首相も「子どもの声が騒音であるという声に対して、我々は考えを改めなければいけない」と答えた。

 国内では、東京都が15年に騒音の規制対象から未就学児の声を外す条例改正をしている。小泉氏らのやりとりについて閣議後会見で問われた小倉将信こども政策担当相は、「騒音とは何か」という定義が必要になるなど、法制化の課題は多いと指摘。「法制化は検討していない」と述べた。

 ドイツの法律に詳しい近畿大法学部の石上敬子准教授によると、ドイツでは2011年に連邦法が改正され、子どもの声が騒音規制の対象外になった。14歳未満の児童保育施設や遊戯施設で子どもや世話にあたる大人が発する音声を、「原則として有害な環境作用ではない」と定義。「子どもにやさしい社会」をめざす立法メッセージを示すことが、立法趣旨に掲げられた。

「騒音」理由に訴訟相次ぎ 保育園が廃園に

 背景には、ドイツでは00年…

この記事は有料記事です。残り762文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

#ニュース4U

「#N4U」取材班が読者の皆さんから身近な疑問や困りごとを募集し、SNSで情報交換しながら深掘り取材します。[もっと見る]

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment