「座敷わらしになりたい」 伝承残る温泉郷で祭り、参加者が仮装披露

小幡淳一

 幸せを呼ぶ「座敷わらし」が出るといわれる岩手県二戸市金田一温泉郷で26日、「座敷わらし祭り」が開かれた。今回が初開催で、会場の宿泊温泉施設「カダルテラス金田一」(同市金田一湯田)では参加者が妖怪や座敷わらし姿を披露した。

 座敷わらしはおかっぱ頭の男の子のかわいらしい神霊。幽霊ではなく、大切な家の守り神とされている。金田一温泉郷の「緑風荘」は座敷わらしが住むとされ、奥座敷に泊まってその姿を見ると出世するという言い伝えがある。

 過去には原敬元首相が東北遊説の際に宿泊したり、盛岡市出身の国語学者金田一京助もしばしば訪れたりした。「柔道の神様」と言われた久慈市出身の三船久蔵十段は座敷わらしと渡り合い、軽くあしらわれたという逸話もある。

 会場には二戸市のマスコットキャラクター「亀麿くん」と「浄法寺のねこ」たちも駆けつけた。直前に雷雨に見舞われたが、会場では座敷わらし姿でインタビューを受けるコンテストや妖怪たちのファッションショーが開かれ、大きな拍手に包まれた。

 「座敷わらしになりたい」と参加した同市石切所の戸来佑衣さん(6)は「くまさんのお人形さんが欲しいと座敷わらしにお願いしました。楽しかった」とニッコリ。ファッションショーでポーズを決めていた相田一成さん(42)は全国各地のイベントに妖怪の格好で登場しているといい、「金田一温泉はぜひ訪れてみたかった場所。妖怪で二戸も盛り上げたい」と話していた。(小幡淳一)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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