「当事者じゃないのでわからない」 マジョリティの無自覚が生むもの

 ドラァグクイーンがゲスト出演するイベントに、観客で参加しました。多様性をテーマとした表現を学ぶ会で、会場は盛況でした。

【連載】VIVA LA VIDA!

昼は展覧会などの進行を担うアートマネジャー、深夜0時からはドラァグクイーン。二つの顔を持つ緒方江美/アフリーダ・オー・ブラートさんが、現代美術やクラブカルチャー、社会の多様性についてつづります。

 数日後、イベント参加者のSNSで、衣装も着ずメイクもしていないクイーンのオフの姿がはっきり撮影された投稿を発見しました。場所も書かれ、安易に個人が特定できる内容。その出演者は、プライベートと表現活動の領域を分けており、本人の承諾が無いことも明らかでした。

 すぐに削除するよう連絡しました。幸い、掲載されていた時間も短く、拡散には至りませんでした。しかし、投稿した参加者は謝罪はしたものの、「私は当事者ではないので何が悪いか分からない。悪意は無かった」と主張しました。私はヘテロ(異性愛者)女性のクイーンとして困惑しました。

 ドラァグクイーンの中には性…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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