「復興のシンボル」3年半ぶり雄姿 涙ぐむ熊本の被災者

 2016年4月の熊本地震で被災した熊本城の大天守の外観が復旧作業をほぼ終え、5日から特別公開が始まった。国内外から多くの人たちが詰めかけ、「復興のシンボル」の雄姿に見入った。

 公開されたのは、二の丸広場を起点に天守閣前広場の一部に至る約450メートルのルート。天守閣のうち、大天守は屋根瓦や石垣の復旧工事が終了。漆喰(しっくい)が白く輝く瓦屋根は美しい曲線を描く。小天守は石垣の積み上げが完了した。特別公開では復旧作業が続く天守閣の内部は見られないが、外観を間近で見学できる。天守閣全体は21年春の復旧を目指している。

 午前5時から開門を待ちわびていた熊本市内の女性会社員(46)は、3年半ぶりに間近で大天守を見上げて「感激しました」と目に涙を浮かべた。熊本地震で自宅が被災。仮設住宅に住み、2年かけて家を建て直した。熊本城が復興していく姿を仕事の合間に遠くから目にして、何よりの力になったという。

 大西一史・熊本市長は「全国各地の皆さまからの励ましのお言葉に支えられながら熊本城の復旧事業を進め、本日、その節目となる日を迎えることができた」とあいさつし、「熊本城の復旧と公開を通して、震災の記憶を次世代に継承する。被災した皆さまの心の復興につながるよう取り組む」と述べた。

 特別公開は原則として日曜・祝日に開催されるが、今月14日までは連日公開される。入園料は大人500円、小中学生200円。問い合わせは熊本城総合事務所(096・352・5900)へ。(白石昌幸、矢鳴秀樹)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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