「心崩れた」ランドセルと遺体 捜査1課の刑事がカレー屋になるまで

 京都市中心部のビジネス街に、30種類以上の豊富なメニューで人気のカレー店がある。

 「欧風カレーハウス ガーネッシュ」。日本三大祭りの一つ、祇園祭の山鉾(やまほこ)をイメージして、山に見立てたメレンゲがつく「鷹山(たかやま)カレー」が名物だ。

 店を切り盛りする吉野明彦さん(61)は元刑事。52歳で京都府警を早期退職し、2014年に店を開いた。

 古巣の捜査1課の後輩たちは出前の常連だ。

 夜にカレーを食べると火事や事件が起きてしまうというジンクスがあるらしく、注文が入るのは決まって昼どき。「コロナ禍のなか、本当にありがたい」

 振り返ると、転機は2011年3月11日だった。

 船に乗っているような長い揺れ。

 「何が起こってるんや」

 吉野さんは府警本部にいた。少しして、建物や車が流されるテレビの映像が飛び込んできた。

 東日本大震災。全国の警察官が、支援部隊として被災地へと向かった。吉野さんもその一人だった。

 医師にみとられなかった遺体…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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