「拍手で実感」「思いが音に乗った」全日本吹奏楽コンの演奏を終えて

 音の響き合いが、世界を広げ、時空を超えていく――。

 23日、名古屋国際会議場で開かれた全日本吹奏楽コンクール全国大会高校の部。後半の15校も、心が沸き立つような、スケールの大きな演奏が続いた。

 演奏を終えたばかりの部長らの言葉で振り返る。

東海大札幌「部のイメージを刷新する演奏」

 東海大札幌(北海道)の部長、熊谷瞬さん(3年)は「東海大札幌では10年間、課題曲にマーチ、自由曲では日本人作曲家の曲を選んできた。今年は両方変えて、部のイメージを刷新する演奏ができたと思う」と手応えを口にした。2年連続の出場について「今年は全員が惰性で吹かず、積極的に気持ちを入れた音を出せるようになったと思う」と振り返った。

 常総学院(茨城県)の部長、宮本健汰さん(3年)は「緊張していたが、舞台のライトがついた途端にみんな笑顔になれた」と振り返った。今年のメンバーは「個性的な人が多い」といい、そのキャラクターにぴったり合った自由曲として「交響三章」を選び、練習を重ねてきた。指揮者を務める顧問が、けがで直前まで離脱するというアクシデントもあったものの、「先生がいない分、むしろ頑張ろうと思えた」。練習を重ね、ピアノの強弱や打楽器・管楽器のコンビネーションにこだわった演奏を追求した。「素晴らしい演奏ができた」と満足そうな顔で振り返った。

 高岡商(富山県)の部長の松野志保さん(3年)は「全国大会に出場できたうれしさと支えてくれた方々への感謝の気持ちでいっぱいです」と笑顔だった。後輩に向け、「来年もこの場所に演奏を聞きに来られるように、伝統の高岡商サウンドをもっと発展させて欲しい」とエールを送った。

 松陽(鹿児島県)は自由曲で「ピース、ピースと鳥たちは歌う」を演奏した。部長の所崎絢乃(あやの)さん(3年)は「平和をテーマに作られた曲。言葉ではなく音楽を通じて、少しでも平和の尊さを伝えられたらうれしいと思って演奏した」と振り返った。部員間で統一した曲の始まりのイメージは「戦争を前に、なすすべもなくたたずむ女の子」。「今日、ここで私たちの音楽が観客に届き、平和を実現できたと思う。女の子が平和を祈り、世界のどこかで楽しく過ごしているといいなと思います」と語った。

 就実(岡山県)の現役部員にとっては初めての全国大会。名古屋国際会議場が視界に入った瞬間、部員らから「おお」と声が上がり、拍手が出たという。部長の塩崎寧々さん(3年)は演奏後、「中国支部大会より緊張したけど、心に余裕をもって笑顔で楽しんで演奏できた。8年ぶりの出場ですが、後輩たちにはこれから新しい歴史を築いていってほしい」と振り返った。

高校の部の後半に出場したすべての学校のコメントを集めました。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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