「政治運動」で戒告経験の判事、依願退官 新聞で主張も

 仙台地裁の判事補だった1998年、捜査機関による通信傍受などを認める法案に反対する集会で発言し、裁判所法で禁じる「積極的な政治運動」にあたるとして、戒告処分を受けた寺西和史・高松高裁判事が15日、依願退官した。

 寺西氏は98年4月、通信傍受法案など3法案に反対する集会に参加。裁判官の身分を明らかにしたうえで、一般参加者席から「所長から懲戒処分もあり得ると警告を受けたので、パネリストとしての参加は取りやめた」などと発言した。

 この発言をめぐって開かれた裁判官の懲戒を判断する「分限裁判」で、仙台高裁は同年7月、寺西氏を戒告処分とする決定を出した。最高裁は同年12月、この決定を支持。表現の自由について「裁判官の言動は一定の制約を免れない」と指摘して裁判所法の規定を「合憲」とする初判断を示し、議論を呼んだ。

 寺西氏はこのほか、朝日新聞の「声」欄に身分を明かして複数回投稿。裁判所の令状実務を批判したり、自衛隊を違憲と主張したりするなどした。


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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