「新たな貧困ビジネス」か 生活困窮者で埋まった郊外物件を訪ねた

 東京都心から離れた賃貸物件を紹介されて、生活再建が難しくなった――。生活困窮者の支援を掲げる都内の一般社団法人の活動をめぐる相談が、失業者らから相次いでいる。郊外の物件を紹介するのは生活支援なのか、それとも困窮者を利用した「新たな貧困ビジネス」なのか。記者が現地を訪ねた。

 取材の入り口になったのは、東京・池袋の公園で会った男性(65)の証言だった。郊外の物件を紹介されて入居したものの、生活が立て直せず、部屋を飛び出した失業者だった。

 紹介されたきっかけは、2021年夏、隅田川の河川敷で開かれていた社団法人の炊き出しの列に並んだこと。「いい所がある」と声をかけられた。ホームレス状態で、所持金は千円札1枚と小銭が数枚だった、と明かした。

 住んでいたのは、東京都羽村市の中古マンション。男性が手書きでメモしていた住所を頼りに、現地へ向かった。

 東京・新宿からJRで約1時間。畑が点在する住宅街の一角に3階建てのマンションはあった。

 ドアホンを鳴らした。

 出てきたのは40代の男性だった。入居は21年6月、渋谷区代々木公園での炊き出しで誘われたという。

社団法人に紹介されて入居した住民は、次々と部屋が埋まっていく様子に「変わった」物件だと思ったそうです。その後、どうなったのか。1億円を超える額で物件を購入した家主にも話を聞きました

 男性は入居前、日雇い労働者…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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