「春から散々我慢」の飲食店 忘年会時期の時短要請に…

 新型コロナウイルスの感染拡大で、東京都は飲食店に対し、営業時間の短縮要請に踏み切った。春の「第1波」、夏の「第2波」に続く3度目の要請。かき入れ時の師走を前に、店主たちからは嘆きの声が聞かれた。

 25日夕、東京・神田のホルモン料理店「まる豚」の店内で、営業時間の短縮を要請する小池百合子・東京都知事の記者会見の中継がテレビで流れると、店長の熊沢行雄さん(55)はため息をついた。「最近の感染状況をみて恐れてはいたけど、やっぱりきたか……」

 緊急事態宣言が出ていた今春、店の客は前年の2~3割程度に落ち込んだ。「Go To イート」効果もあり、忘年会シーズンを前に客足が戻りつつあっただけに「『外食はだめ』という空気が広まって、また春先の状態に戻ってしまうのでは」と懸念する。

 普段の営業時間は午前0時までで、金曜日は午前4時まで。2次会で利用する会社員や常連客も多く、午後10時以降の売り上げが2~3割ほどを占める。都の要請について「感染状況を考えれば仕方ない」とも思うが、その間に常連客が離れないか不安だ。生活がかかるアルバイトも6~7人抱え、要請に応じるかどうかは「今のところ五分五分」という。「飲食店にだって複雑な事情があることは分かってほしい」

 JR神田駅近くのお好み焼き店「でくのぼう」。都の要請に応じて営業時間を短くするのは今回で3回目だ。コロナ禍で新たにテイクアウトを始め、迫敬毅店長(48)は「要請の範囲で工夫していくしかない」と話す。ただ、「Go To トラベル」事業が続きながら飲食店が制限されることには「どうして旅行は許されて飲食はだめなのか。飲食ばかりが責められるなんておかしい」と憤る。

 一方で、要請に応じた店への一…

2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment