「根深い偏見」看護師が語るコロナクラスター施設の苦悩

 新型コロナウイルス感染症患者が増えるいま、治療やケアにあたるスタッフ不足が課題となっています。クラスター(感染者集団)が起きた施設に派遣された看護師が感じたこととは――。発展途上国や被災地で医療活動を続ける認定NPO法人「ジャパンハート」(東京)の看護師・宮田理香さんが経験を語ってくれました。人手不足に拍車をかける深刻な問題も浮かび上がります。

 ――いつ、どのような施設に入ったのですか。

拡大するフェイスシールドなどを着けてケアをする、ジャパンハートの宮田理香さん(右)ら=ジャパンハート提供

 11月中旬から12月下旬までの1カ月超、クラスターが発生した、北海道内の複数の介護福祉施設と病院に派遣されました。陽性者すべてを新型コロナ対応のできる病院に運ぶことはできない一方、高熱がある人や酸素投与が必要な方も少なくありませんでした。入院して行う治療と同レベルの治療をする、との道の方針を受けて医師も入り、私たち看護師もレッドゾーンの中で、治療の補助とケアにあたりました。

濃厚接触でも働き続け……

 ――どのようなケアをしましたか。

 酸素飽和度などバイタルサインを測り、医師の指示を受けて薬や酸素の投与をします。食事の介助や身体介助もしました。陽性者たちをケアしてきた現地スタッフの多くは、濃厚接触者にあたります。それでもぎりぎりの人員の中、働き続けている看護師や介護職員もいました。自分が発症するかもしれないとの不安をおぼえながら、皆で休むわけにもいかなかったのです。派遣で入った私たち看護師は人手不足の中、シーツ交換や掃除、ごみ捨てなどなんでもしました。

 ――自身が感染するかもしれないとの不安はありませんでしたか。

 もちろんあります。防護服を着…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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