「死刑制度」廃止で問題が解決するわけではない~福岡4人殺害、死刑執行(ニッポン放送)

ニッポン放送「ザ・フォーカス」(12月26日放送)に元外務省主任分析官・作家の佐藤優が出演。死刑制度について解説した。

福岡一家4人殺害事件~死刑囚1人に刑を執行

福岡市で2003年に一家4人を殺害し、強盗殺人などの罪で死刑が確定した中国人男性の刑が26日午前、福岡拘置所で執行された。これは法務省が発表したもので、森法務大臣が就任後、初めて命令したもの。刑が執行されたのは中国人の元専門学生・魏巍(ぎぎ)死刑囚。

森田耕次解説委員)2019年の死刑執行は3人目です。確定判決によりますと、中国人の元専門学校生の魏巍死刑囚は2003年の6月、他の中国人2人と共謀し福岡市の医療品販売業・松本真二郎さん当時41歳の家に侵入し、40歳の妻、11歳の長男、8歳の長女を殺害し金品を奪った上、暴行して意識を失わせた松本さんと共に重りをつけて博多港に遺棄したというものです。共犯の2人は中国で裁判を受け、1人が死刑となって2005年に執行、もう1人は自首などを理由に無期懲役が確定しています。26日の死刑執行は福岡拘置所で午前に執行されました。森まさこ法務大臣の記者会見です。

森法務大臣)極めて冷酷かつ残忍な事件であり、何ら落ち度のない4名もの尊い人命を奪った結果は極めて重要です。裁判において十分な審議を経た上で、最終的に死刑判決が確定したものです。法務大臣として慎重な上にも慎重な検討を加えた上で、死刑の執行を命令した次第です。

森田)2019年は死刑執行が3人目、2018年はオウム真理教の死刑囚13人と12月に2人ということで15人の刑が執行されています。現在、刑事施設に収容されている確定死刑囚はこれで111人ということになりました。26日は1人の死刑執行で、今年3人目ということになりました。

佐藤)私は東京拘置所にいたとき、両隣が確定死刑囚でした。死刑を待つ人の異常なピリピリとした感じは皮膚感覚でわかります。朝食の前に執行なのです。朝7時に起床で、点呼が終わるのが15分までなのですが、その間に扉が開いたら執行なので、何とも言えない緊張がありました。それから、死刑の執行がされないのは土曜日と日曜日と休日だけなのです。ですから、安心して眠れるのは休日の前日だけです。それ以外はいつ死刑があるのかわからない状態ですよね。


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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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