「母数が異常に増えている」 コロナ感染拡大の大阪、インフルも流行

新谷千布美

 大阪府は6日、新たに1万5957人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。9月26日に全数把握が見直されて以降最多で、1万5千人を超えるのは2日連続となった。死者は29人増え、計7303人で全国最多の状況が続いている。

 府は昨年12月26日から、府の独自基準「大阪モデル」で非常事態を示す「赤信号」を点灯させた。吉村洋文知事は5日、記者団に「クリニックや診療所も休みになる年末年始の休みが明けて、多くの方が診療所に行った可能性がある」と指摘。一方、企業活動や学校が再開するため、今後も感染者数は増える見通しを示した。

 中等症患者の治療にあたる大阪暁明館(ぎょうめいかん)病院(大阪市此花区)の西岡崇浩事務長は「重症化する人は明らかに減っている一方、感染者の母数が異常に増えている」と指摘。コロナで重症化しなくても、別の慢性疾患を持っていた患者が感染をきっかけに亡くなるケースが増えているという。

 耳原総合病院(堺市)の看護師は「持病のある高齢者は肺炎まで至らずとも発熱で脱水症状になり、一気に持病が悪化していく」と話す。高齢者施設から搬送されて来る患者も多く、自院でも入院時の検査が陰性だったが翌日発症する患者がおり、日々クラスターと戦っているという。「終わりが見えない。テレビでマスク無しで繁華街を歩く人も見るが、認識の差がどんどん開いていると感じる」と語った。

 インフルエンザの流行も始まっている。府は昨年12月28日、2019年以来の流行期入りを発表した。

 大阪市で3カ所の発熱外来を開いているアサイクリニックの浅井哲院長は、「うちを受診する人の7割近くがインフル」と説明する。「解熱剤抗生剤などの薬が手に入りにくい状況が半年以上続いている。なんとかやりくりしているが、本当に困っている」(新谷千布美)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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