「水を巡るケンカが起きそう」 給水止まった街、アラーム鳴る田んぼ

【動画】明治用水頭首工の大規模漏水、対応進む=長島一浩、細川卓撮影

 愛知県豊田市の取水施設「明治用水頭首工(とうしゅこう)」で起きた大規模漏水を受け、現場では21日も矢作(やはぎ)川から水をくみ上げる作業が続いた。影響は地域の農業だけではなく、他の分野にも広がりを見せている。

 花と緑のテーマパーク「デンパーク」(安城市)では、園内の植物約30万株の水やりに明治用水の農業用水を使ってきた。だが漏水で給水が止まり、19日以降は急きょ井戸から水を引く。渇水に備えて掘った井戸は取水量が少なく、普段の使用量を確保できないという。このため散水するエリアを狭め、節水に努めている。

 担当の花岡建さん(52)によると、梅雨が明けても給水が再開しなければ植物の維持は難しくなる。「植物の公園で水をやれないのは致命的。一刻も早く復活してほしい」

 漁業関係者も気をもむ。頭首工の脇には下流から上流へ魚が遡上(そじょう)する「魚道」がある。漏水で水位が下がり、アユが川をさかのぼれない状態になった。

 矢作川では今月11日に上流部でアユ漁が解禁されたばかり。矢作川漁業協同組合の関係者によると、アユの遡上は5月の大型連休中がピーク。昨年は約90万匹が、今年は既に約60万匹が遡上したとみられる。

 関係者は「アユの友釣りに大…

この記事は有料会員記事です。残り668文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment