「痴漢だ」消えぬあの日の後悔 五輪目指した元ソフト選手、警察官に

 昨夏の東京五輪ソフトボールで、日本代表は金メダルを手にした。かつてその舞台をめざし、実業団の強豪チームでプレーした女性が、神奈川県警川崎署にいる。高校生の頃に痴漢犯を逃した後悔、応援してくれた母親の急死……。すべてを力に変え、セカンドキャリアを歩み出している。

 「(夜間の勤務で)寝られない日が続くこともありますが、全部が経験です」。そうにこやかに話すのは、昨年2月に拝命した鈴木理恵巡査(25)だ。

 警察学校や職場実習を経て、歓楽街の南町交番(川崎市川崎区)で働いている。1日3交代制で泊まり勤務もあり、酔っ払いのけんかや万引きの取り締まりに日々追われる。

 3年前はアスリートだった。ソフトを始めたのは小学4年から。ポジションは捕手で、小柄ながら積極的な打撃とリードが信条。中学と高校で全国大会に出場し、その頃開催地に決まった東京五輪に出場するのが目標だった。「一生に一度の機会。支えてくれた人たちの間近でプレーしたい」

 高校卒業後に日立製作所のソフトボール部(横浜市)に入部。しかし、日本代表入りをアピールするためのリーグ戦で、満足する結果を残せない。2019年11月、現役を引退した。

 それからは、社員としての仕…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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