「眠っていた人魚に申し訳ない」科学的調査を終え、住職が今思うこと

 「人魚のミイラ」は人の手でつくられた造形物だった――。先日、そんなニュースが世間をにぎわせた。「ミイラ」を大事に守ってきたお寺の住職や地元の人たちは、科学的な調査の結果をどう受け止めているのか。岡山県浅口市の円珠院(えんじゅいん)を訪ね、柆田(くいだ)宏善(こうぜん)住職(62)に話を聞いた。

 ――倉敷芸術科学大(同県倉敷市)の研究者らが、X線などを用いて調べた結果、「人魚のミイラ」には主要な骨格がなく「造形物」だと発表しました。

 一番に思うのは、人魚に本当に申し訳ないことをしたなということです。ゆっくり眠っていたのに、人の目にさらされて「本物だ」「偽物だ」と言われて。

 不老長寿のご利益を求め、写真を撮って携帯電話の待ち受けにしている人もいました。いろんな思いがつまったミイラが「偽物」のレッテルを貼られることになってしまい、反省しているところです。

 ――今回、なぜ調査を受け入れたのでしょうか。

 「見たい」という人がいても…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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