「知らんけど」の便利さと寂しさ　息を吐くように、傷つかないように

耕論　知らんけど

　話した後やメッセージの末尾に、「知らんけど」と添える人が関西以外でも増えている。ただの流行語ではなく、使いたくなる必然性が、そこにはあるのではないか。知らんけど。

それは「元に戻す言葉」　作家・岸田奈美さん

　生まれも育ちも関西の私にとって、「知らんけど」は特別な言葉ではありません。日常の会話の中で、息を吐くように自然と出てくる言葉です。今、「新しい言葉」のように注目され、新語・流行語大賞のトップテン入りしたことは、私にとって「レンコンが野菜大賞に」みたいな不思議な感覚があります。

　自分のエッセーの最後に「知…