「私の時間止まったかのよう」 女性殺害1年、母が手記

板倉大地

 福岡市の商業施設で女性(当時21)が当時中学生の少年(16)=殺人罪などで起訴=に刺殺された事件から1年が経つのを前に、女性の母親が26日、代理人の弁護士を通じて手記を公表した。「悔しくて悲しくて、苦しくなる長い一年でした」などと悲痛な思いがつづられている。

 女性は昨年8月28日夜、福岡市中央区の商業施設「MARK(マーク) IS(イズ) 福岡ももち」1階の女子トイレで刃物で刺されて死亡し、少年が殺人容疑などで逮捕、起訴された。捜査時に少年は「包丁を持っていることに気づいた女性に騒がれたので、殺すつもりで刺した」と容疑を認め、現在は公判前整理手続きが進められている。

「悔しさと怒り、どこに向ければ」

 母親は「事件以来、私は時間が止まってしまったかのようにあの日のことが頭に浮かび、娘が生まれた日のことや、幼いころの成長過程を思い出し、思い出すたびに悔しくて悲しくて、苦しくなる長い一年でした」と振り返った。「泣いてばかりだと娘から『しっかりしなさい!』と叱られる気がして、なんとか気持ちを落ち着かせて、日々、日常生活を送っています」。

 少年に対しては「未成年ということで名前も顔も公表されないのは犯人の将来を考えてでしょうか。娘は将来を奪われました。私たち遺族は犯人がこれからも生きていくことが許せません」「このまま社会復帰したらもっと恐ろしい事件を起こすと思います」「極刑にして頂きたい」と激しい怒りをぶつけた。

 また、少年が少年院を仮退院した直後に事件を起こしたことや、商業施設の当時の警備態勢などについて言及し、「事件のことを考えると疑問ばかりが頭に浮かんできます」「考えれば考えるほどつらくなるばかりで夜も眠ることができません。娘はどんなに怖かったことでしょう」「この悔しさと怒りをどこに向ければ良いのか分かりません」とやるせない気持ちをつづっている。

 そのうえで改めて事件を振り返り、「近い将来、きっと出会うはずであった娘の旦那さん、生まれてくるはずであった孫たちまでも奪われた気持ちです。犯人を絶対に許せません」と記した。

 また手記の最後は「娘の友人や、私の友人、知人、周りの方々が弔問に訪れてくださり、温かい言葉をたくさんいただいています。そのことで心強くなり、これからも何とか頑張って行きたいと思います」と結んだ。(板倉大地)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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