「罪深い声が核使用を求めている」 ヒロシマ賞受賞者が伝えたい危機

 現代美術で平和に貢献した作家に贈られるヒロシマ賞の第11回受賞者、アルフレド・ジャーさん(67)の受賞記念展が22日、広島市現代美術館(南区)で始まり、朝から多くの人が訪れた。展示されている9点のうち6点は「広島に捧げた」。ロシアのウクライナ侵攻などで核兵器使用への懸念が高まる中、「広島は光だ」と訴える。

 ヒロシマ賞は1989年創設。3年に1度で、かつて三宅一生さんやオノ・ヨーコさんも受賞した。ジャーさんの受賞は2018年に決まっていたが、コロナ禍などの影響で授賞式や記念展は延期されていた。

 ジャーさんはチリ出身で、現在はニューヨークを拠点に活動している。チリの軍事独裁政権下で芸術活動を始め、ルワンダの大虐殺や東日本大震災、原爆など社会的な問題を追い続けている。1995年には同館の被爆50周年記念展「ヒロシマ以後」に参加した。

 今回の展示の目玉の一つは「生ましめんかな」。詩人・栗原貞子さん(1913~2005)の広島への原爆投下直後に生まれた代表作の題をそのまま作品名にした。

 暗闇の中に9から0までの数字と「生ましめんかな」の文字が浮かび上がる。9から1までは人々の命を、0は死を表現。最後に浮かび上がる文字が惨劇の中で命を生み出すことを表現しているという。

 ジャーさんは13年、東日本大震災の被災地に残された学校の黒板に「生ましめんかな」と投影する同名の作品を発表している。今回、広島のために新たに制作した。

風や声も、作品に

 「ヒロシマ、ヒロシマ」は広…

この記事は有料記事です。残り534文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment