「育休給付金」給与の80%へ引き上げで男性の育休取得率は上がる?(TOKYO MX)

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。2月18日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、社会起業家の駒崎弘樹さんが、“育児休業”の現状について意見を述べました。

◆男性の育休取得の一助となるか

育児休業開始後6ヵ月まで休業前賃金の67%、1歳まで50%を支給する「育休給付金」。政府は、給付率を80%に引き上げる方向で検討しており、これが実施された場合、所得税や社会保険料などが免除される分を加味すると、実質的に育休前の手取り月収とほぼ同額の支給が実現します。

給付率80%への引き上げ案が成立すると、「(支給を受ける間は)社会保険料は免除されるので、実質的には(休業前の)手取り月収とほぼ同額になる。(育休給付金と聞くと)休んでいる間、“会社から給料をもらうのは申し訳ないな”と、よく勘違いされている方がいるが、(企業負担ではなく)雇用保険から支払われているもの」と駒崎さんは補足。「今まで収入が減るのは嫌だからと育休の取得をためらっていた人たちも、休みやすくなると思う」と推測します。

男性正社員1,648名を対象に実施した調査結果(2017年度)によると、男性が育休を取得しなかった理由で「収入を減らしたくなかったから」と回答したのは、15.5%。それよりも、「業務が繁忙で職場が人手不足(27.8%)」「会社の育休制度が未整備(27.5%)」「育休を取得しづらい雰囲気だった(25.4%)」「担当している仕事等があった(19.5%)」といった理由の方が上位に。

この調査結果を引き合いに「(収入面よりも)職場や仕事に関わるもののほうが多い」と現状を語ります。ちなみに駒崎さんによると、育休給付金の給付率100%という施策を講じた韓国では、取得率がおよそ13%にまで上がったものの、男性の取得率自体は微増だったそう。

◆育休取得推進のためにすべきこと

駒崎さんは「男性・女性関係なく、ちゃんと育休を取得して“しっかりと休もうよ”という風になるには、(給付率引き上げだけでは)もう1歩決め手に欠けるのではないか」と言い、育休取得率を上げるためにすべきこととして「男性育休の企業への義務化」を主張。

なぜなら、「現在、職場側に遠慮して、育休が取れない(または取りづらい)という状況。本来、労働者の権利で『取得したい』と言えば取れるはずだけど、会社側は『君、こんなときに休むの?』『出世する気あるの?』と言ったり、上司が圧をかけたりするなど、いろいろある」と言います。それだけに「今は、労働者側が希望したら会社が受理しなければならないという義務はあるが、そうではなく、企業側からちゃんと『育休を取得できるよ』ということをプッシュすべき」と強調。

MCの堀潤が「これを実現するには、(育休で)担当者が急に抜けても、即座にカバーできるような普段からの組織づくりがメインになるのでは」と述べると、大きく頷く駒崎さん。「企業経営者として、しなければいけないこと。子どもが産まれるまでには十月十日あって、少なくとも数ヵ月は時間をもらえているのだから、その間に新たに派遣労働者や社員を雇うとかできるはず。それをやらないで『人手不足』と言うのは、単なる経営者側の怠慢でしかない」と声を大にします。

さらには、「男性の育児参加が進むことによって第2子以降の出生率が高まるというエビデンスがある。少子化って女性の問題と思われがちだが、実際は男性の問題でもある。そういう意味でも、育休をはじめ、男性が家事・育児に参加しやすくなる政策が求められていると思う」と話していました。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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