「送還ではなく、保護を」 入管難民法改正案の反対訴え 各地で集会

鶴信吾 浅倉拓也

 難民認定の申請中でも送還できるようにする入管難民法改正案の参院での採決が迫り、改正案に反対する市民や弁護士、野党の国会議員らが7日夜、国会前で集会を開いた。「難民は、強制送還ではなく保護を」と書かれた旗を掲げ「全ての人の命を守れ」と訴えた。

 立憲民主党が提出した斎藤健法相の問責決議案が同日、参院本会議で否決された。与党側は8日の参院法務委員会で改正案を可決し、9日の参院本会議で成立させる構え。国会前の集会には約4千人(主催者発表)が参加し「強行採決をやめろ」「全ての人の人権を守れ」と声を上げた。

 参院法務委での審議の大詰め段階で、大阪出入国在留管理局の常勤医が酒に酔った状態で収容者を診察した疑いがあることが発覚した。全国難民弁護団連絡会議の渡辺彰悟弁護士はこの問題について「隠蔽(いんぺい)して審議を進めていた」と批判した。

 大阪市北区のJR大阪駅前でもこの日夕、外国人支援に関わる市民や弁護士ら約200人が「廃案に」と声を上げた。中井雅人弁護士は「入管による人権侵害の根本は当局の権限や裁量が絶大なことにある。法案はこれを拡大する」と訴えた。(鶴信吾、浅倉拓也)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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