【詳報】JR新橋駅前、重点措置適用「知らなかった」

 新型コロナウイルスの感染再拡大をどう食い止めるか。12日から東京都、京都府、沖縄県に「まん延防止等重点措置」が適用されるほか、一部の地域で高齢者へのワクチンの接種が始まりました。各地の1日の表情をタイムラインでまとめました。

20:00

東京・新橋の公園、時短営業終了後は缶ビール片手に

 東京・新橋では駅に向かって歩く人の列ができていた。東京都は飲食店に対し、営業時間を午後8時までに短縮するよう要請している。

 会社の同僚と2人で食事していた30代の会社員男性は閉店時間が迫り、店を出た。「一本勝負と思って来た。店もやっていないし、ちゃんと帰ります」

 早朝までの営業時間の看板を掲げたそば店は、時短要請を受けて午後7時15分に店外の照明を落とした。

 「この先コロナがどうなるのか、離れてしまった客が戻るのか……。『諦め』と『神頼み』というのが、1年間苦しんできた飲食店の本音だ」と肩を落とした。

 飲食店に囲まれた公園には、午後8時を過ぎると缶ビールを手にした人たちが集まり始めた。20代と30代の女性2人は、近くの飲食店で約1時間食事をしてきたという。「この1杯で帰ります。やってみてわかったけど、8時閉店だと食事も会話もバタバタ。食事自体を諦めるから、そういう意味では(重点措置は)効果あるかもしれませんね」(畑宗太郎)

18:30

東京・新橋SL広場前、飲食店街に向かう人たちは

 東京・新橋駅前のSL広場では、足早に駅に向かう人や待ち合わせして飲食店街に向かう人たちの姿が見られた。

 「また8時でお店が閉まっちゃうんですか」と帰宅途中の30代の会社員女性=東京都渋谷区。12日から東京23区などに「まん延防止等重点措置」が適用されたことは知らなかった。

 「一人暮らしで、遅くまで仕事がんばって、お店が閉まっていると本当に困ります」。長引くコロナ禍で自由に食事などができず、「ストレスがたまっている」という。「とにかく早くワクチンを打てるようにしてほしい」

 友人との食事のため、レストランに向かうという千葉県の30代男性は「飲食店の時短要請など、緊急事態宣言と同じような対策が3回も続くと慣れてしまって効果も薄いのではないかと思う」と話す。自身の生活や仕事に変化はないといい、食事の後は「2軒目も行くかもしれませんね」。

 同僚との食事の待ち合わせをしていた50代の公務員男性は「緊急事態宣言が終わってから街には人がたくさん出ている。切迫感もないし、雰囲気は通常に戻りましたよね」。食事はアルコールなしで済ませる予定だという。

17:00

大阪府、新たに603人感染 1週間前と比べて1.7倍に増加

 まん延防止等重点措置が先行して5日に適用された大阪府。府は12日、新たに603人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。1週間前の5日(341人)と比べて約1・7倍に増えており、月曜日に発表された新たな感染者数としては過去最多。また、4人の死亡も確認され、府内の感染者は延べ6万761人、死者は計1219人になった。

 また、大阪府は12日、新型コロナの患者を受け入れている病院に対して、一般医療を一部制限して、さらに病床を確保するように要請する。命に別条がなく、急ぎではない入院や手術の延期を求めるもので、新型コロナ対応の特措法24条に基づく協力要請。延期する入院や手術については明確な基準を設けない。

 大阪府の11日時点の重症の入院患者は203人で、確保する病床224床には188人が入院し、病床使用率が83・9%に達している。15人は中等症の病床で治療を継続しており、病床逼迫が続いている。

15:30

京都市の飲食店、府と市の職員が2人1組で見回り

 京都府でも、まん延防止等重点措置の適用が始まった。府では、感染防止対策が徹底されているかを確認するため、府と京都市でつくる調査・指導チームの職員計40人が、2人1組で飲食店の見回りを始めた。

 見回りの対象は、京都市の飲食店約1万3千店。市の三科卓巳・危機管理監は出発式で「調査は取り締まりではない。店に理解、協力してもらうため、丁寧に説明してほしい」と述べた。

 この日は、中京区の和食料理屋「先斗町すいしん本店」を訪れ、換気対策やアクリル板の設置など、10項目を確認した。すべての項目をクリアした同店の荻野善之営業部長(47)は「営業時間などを守らない店もある。行政主導の見回りは足並みをそろえる意味で有効だと思う」と語った。(高井里佳子)

拡大するまん延防止等重点措置の適用に伴い、飲食店の従業員(右)に感染防止対策を確認する京都府の職員=2021年4月12日午後4時34分、京都市中京区先斗町、高井里佳子撮影

15:30

松山市内の聖火リレー、愛媛知事が中止の方針

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、愛媛県の中村時広知事は、松山市内の公道で21日に予定されている東京五輪の聖火リレーを中止する考えを示した。14日に県実行委員会が正式に決め、大会組織委員会に申し入れる。

 県内の聖火リレーは21、22日、全20市町を走ることになっている。松山市では21日、アテネ・北京五輪マラソンに出場した土佐礼子さん、平昌五輪スピードスケートに出場した郷亜里砂さんら27人が走る予定だった。同日夕に市内で予定されている聖火の到着式は行うが、一般客の観覧は取りやめるという。

 松山市では3月下旬、繁華街の複数の飲食店で大規模なクラスター(感染者集団)が発生。県中部地域では、医療機関で中等症用にすぐ使える新型コロナ対応病床約60床のうち約8割が埋まるなど医療体制が切迫している。県は松山市民に21日まで不要不急の外出を自粛するよう求めている。

 大会組織委員会の幹部は「愛媛県の意向は把握しているが、実施方法については引き続き検討している」と話した。(伊東邦昭)

14:20

接種会場視察の首相「ほっとした表情多かった」

 65歳以上の高齢者向けに新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった12日、菅義偉首相は東京都八王子市の接種会場を視察した。視察後、首相は記者団に「ワクチンは発症や重症化に対してまさに切り札なので、一日も早く多くの皆さんにお受けいただけるようにしっかり取り組んでいかなければならない」と話した。

 首相はこの日、新型コロナのワクチン接種の調整を担う河野太郎行政改革相らとともに八王子市役所内に設けられた接種会場を視察した。記者団の取材に「接種を受けてらっしゃる方の表情を見ると、ほっとした、そんな表情の方が多かったことが非常に印象に残った」と語った。ワクチンを接種する人材の確保についても政府として支援していく考えも示した。

 また、視察後にあった関係者との意見交換について、首相は「ワクチンがいつ届くのか、早く情報提供してほしいという意見もあった。スムーズにワクチン接種ができるように意思疎通を図りながら進めていかなければならない」と述べた。

 高齢者向けワクチンの対象者は、約3600万人。米ファイザー製のワクチンが使われ、3週間の間隔をあけて1人2回接種する。住民票のある自治体で受けるのが原則で、接種券などが届く仕組み。会場となる体育館や医療機関などを選び、電話などで予約して接種を受ける。

14:00

聖火リレー、法隆寺の五重塔を背景に

 奈良県内で聖火リレーの2日目となった12日、世界最古の木造建築の法隆寺(斑鳩町)ではミニセレブレーションやランナーの姿を一目見ようと大勢の人が集まった。

 奈良県では新型コロナウイルスの感染者が急増しており、9日には過去最多の96人を記録している。

 100年に1度となる聖徳太子1400回忌の大法要を終えたばかりの法隆寺の境内では、五重塔を背景に会場が設置された。集まった観客に対し、「密にならないように」「通路を開けてください」などとスタッフから繰り返し、注意のアナウンスがあった。

 和太鼓を携えたパフォーマンスもあり、スマートフォンやカメラが一斉に向けられた。

拡大する聖火リレーの2日目となった奈良県。ルートの一つとなった法隆寺には観客が集まった=2021年4月12日午後1時55分、奈良県斑鳩町の法隆寺、米田千佐子撮影

13:40

さいたまの高齢者施設 接種「思ったより痛くない」

 さいたま市では、特別養護老人ホームの入所者を対象に、新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。

 同市北区の特養にはワクチンを冷蔵保管する市内のサテライト型接種施設から50回分が届いた。集まった入所者25人に医師が「体調どうですか?」などと声をかけながらワクチンを打った。接種後は副反応の有無を確認するために約30分間待機。異常が出た人はいなかった。

 施設長の女性(58)によると、入所者からは「接種して安心」「思ったより痛くなかった」という声があったという。入所者はコロナ禍で1年以上、家族らと面会ができず、不便な思いをしていたという。それだけに「接種が始まり期待しているし、2回目の接種もある。まだまだ予防対策に手が抜けないなと思う」と話した。(上田雅文)

拡大する新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける特養の入所者たち=2021年4月12日午後1時42分、さいたま市北区の特養ホーム、上田雅文撮影

13:30

若者に感染拡大「自粛の限界では」 徳島県知事

 第4波の到来を受けた国への緊急提言について話し合うため、全国知事会が新型コロナウイルス緊急対策本部会議を開き、全国の知事がオンラインで参加した。

 飯泉嘉門会長(徳島県知事)は会議冒頭で、「まん延防止等重点措置が、東京都、京都府、沖縄県へ拡大となった。いま、変異株が関西、関東にも続々と広がり、全く違う様相を呈してきている。緊急事態宣言に至らないようにしていくことが重要だ」と述べた。

 また、「(感染が)若者に拡大しているが、自粛の限界ではないか。仲間に感染し、後遺症があることを、しっかり知ってもらう必要がある」と指摘した。(森治文)

12:00

小池氏「変異株と素手で戦っている」 対策を呼びかけ

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、「まん延防止等重点措置」が適用された東京都の小池百合子知事が記者団の取材に応じ、「感染を皆さんと抑え込む重要な時期だ。さもないと病床が埋まり、入院している方や手術をお待ちの方が変更を余儀なくされるという別の問題も出てくる」と危機感をにじませた。

拡大する取材に応じる小池百合子・東京都知事=2021年4月12日午前、東京都新宿区の都庁

 また、小池知事は人の流れを減らすことが大事だとした上で、「経済界にはテレワークの徹底などをお願いしたい」と強調した。一方、高齢者向けのワクチン接種が12日から始まったことにも触れ、「(ほとんどの人にとって)重点措置期間中はワクチンがない。新たな変異株と素手で戦っているようなもので、皆さまの(感染防止対策への)ご協力が欠かせない」と訴えた。

11:20

官房長官「機動的に対応」大阪府の感染再拡大で

 新型コロナウイルスのワクチン…


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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