テレビで野球観戦をしていると、大手メーカーのものではない、独特のロゴが刺繡(ししゅう)されたグラブを目にすることがある。
今年の全国高校野球選手権大会決勝。甲子園の先発マウンドに立った仙台育英の左腕斎藤蓉(よう)投手は、左利き専用グラブのみを製造する「チアキ」というメーカーのグラブを使っていた。
プロ野球ヤクルトの山田哲人選手は「ドナイヤ」という大阪のメーカーのグラブだ。
4人で立ち上げた「メジャーステージ」
ムラタ(相模原市中央区)もそんなオリジナルの野球用品を製造するメーカーのひとつ。
社長の村田淳さん(64)は1998年、社員4人の会社で「メジャーステージ」という野球用品ブランドを立ち上げた。
今年、夏の甲子園に初出場した社(やしろ)高(兵庫県)の勝又優太選手(18)によると「収まりが良く、落球しにくい」のが特徴だ。
村田さん自身も野球選手として活躍した経歴を持つ。
桜美林(東京都町田市)の1番ライトとして甲子園に出場し、チームを全国制覇へ導いた。「優勝後、東京駅からオープンカーに乗ってパレード。約4時間かけて町田に着いた」と振り返る。
その後、日体大に進学。4年では明治神宮大会に2番レフトで出場し、日本一に輝いた。
卒業後はプロの道には進まず、父が経営する産業資材会社の関連会社に入社した。それでも「スポーツにかかわる仕事をしたい」と父の会社にスポーツ部門を新設した。
一つでも多くの球を拾ってほしい
当時の野球用品市場は大手メーカーが席巻していた。そんななか、あえて自社ブランドにこだわったのは理由があった。
高校1年のころ。金属バット…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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