いじめ再調査委に一部資料を渡さず 大分市教委が謝罪

 大分市立中学3年の女子生徒がいじめにあったと訴えたことを受けて、市が設置した再調査委員会から提出を求められた資料について、市教育委員会が一部を渡していなかったことが明らかになった。市教委は「見落としてしまった。隠す意図は一切なかった」として謝罪した。

 市教委などによると、女子生徒は中学1年だった2017年5月ごろから、同級生に悪口を言われるなどして体調を崩し、自傷行為もした。同年10月からは不登校となり、その後転校している。市教委は、いじめ防止対策推進法の「重大事態」にあたると判断。同年12月、調査のための第三者委員会を設置した。第三者委は計27回開かれ、調査と協議をした結果、いじめの事実は認定しなかった。

 市は結果に不満を持つ女子生徒側の意見も踏まえ、19年3月に再調査委員会を設置。再調査委は第三者委の資料を提出するよう市教委に求めたが、市教委は、悪口を言われたり体調不良を訴えたりした生徒の様子を母親がまとめた時系列表など一部資料を提出しなかったという。

 19年8月、再調査委から提出漏れを指摘された市教委は、この時系列表など2点の資料を追加提出した。市教委の担当者は「言い訳にはならないが、膨大な資料の中で見落としてしまった」と釈明。その後、再調査委の求めに応じ、生徒アンケートや校内会議の記録なども追加して計約100項目の全資料を提出した。再調査委による調査は現在も続いている。

 市教委の担当者は「保護者の市教委への不信感につながったことは申し訳なかった」と説明している。(小林圭)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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