おやじバンド 惜しまれて13回の歴史に幕(産経新聞)

 和歌山県上富田町の上富田文化会館で1日開かれた「第13回南紀おやじバンドコンテスト」。県内からは「PARADOX(パラドックス)」(新宮市)と「オトナリズム」(御坊市)の2組が出場した。今回で最後となるコンテストでは県外からの参加も含め、ロックやポップス、弾き語りなど、さまざまなジャンルの曲が次々披露され、華やかにフィナーレを飾った。来場者からは「最後となるのは寂しい」などの声も聞かれる中、惜しまれて13回の歴史に幕を下ろした。

 PARADOXは平成19年の第1回コンテストでグランプリに輝いた強豪。ベテランらしく今回の舞台でも圧巻の演奏を披露した。

 新宮市在住の5人で平成9年に結成。今回は3年ぶり3回目のグランプリステージ出場で、ベースの谷口幸生さん(54)の自宅に特設した音楽室に週1回集まり、練習してきた。

 谷口さんは、初出場した際の心境を「まさかグランプリを獲れるとは思わなかった」と振り返り、「その後、コンテストの参加者も年々増え、レベルも上がっていった」と語る。

 13回続いてきたコンテストへの感謝の気持ちを伝えようと、今回はオリジナル曲「ありがとう」を披露。力強い歌声を軽快なリズムに乗せ、5人が息をそろえた演奏をみせた。

 舞台を終了すると、ボーカルのNORIKOさん(55)は「精いっぱい感謝の気持ちを伝えることができた」と満足そうな表情をみせた。

 今回でフィナーレを迎えたコンテストについて、谷口さんは「評価してもらうことで勉強にもなったし、全国から集まったバンド仲間や観客との交流も楽しめた」と懐かしそうに振り返っていた。

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 「オトナリズム」は結成4年でグランプリステージ初出場を果たした。平均年齢は今回最も若い42歳。自慢のオリジナル曲を、緊張感もみせず堂々とした演奏で披露した。

 平成27年に結成。最初は3人で始めたが、ライブやイベントで出会った仲間が次々加わり、現在は8人で活動している。

 普段はメンバーの家族が営む同県日高川町のスタジオで週1回練習。和歌山市や同県有田川町のライブハウスなどで演奏活動をしている。

 昨年のコンテストのパンフレットを見て、「自分たちの実力を試したい」と今回応募した。

 舞台では、オリジナル曲「黒い煩雑」と「君想ふ空に」の2曲を演奏。透き通った歌声と、各メンバーの個性を生かした演奏で会場を沸かせた。

 演奏を終えて、ギターの青貝洋征(ひろゆき)さん(52)は「緊張したが気持ちよく演奏できた。素晴らしい舞台でプロの気分を味わえた」と笑顔をみせた。ボーカルの山本琴美さん(29)は「初出場が最後のコンテストとなり、寂しいが、今回の経験を糧に、さらに曲の精度を上げていきたい」とすがすがしい表情で語っていた。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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