こんな世の中に「どうぞのつくえ」 余り物は姿を変えた

 きっかけは、教会へ届いた段ボール1箱だった。4月の最終金曜日のことだ。

 開けると、菓子パンや調理パンがぎっしり入っていた。宮崎にいる旧知の店主からの贈り物だったが、牧師の谷本仰(あおぐ)さん(56)は素直に喜べなかった。

 新型コロナの波は地元の北九州にも及び、信者には礼拝以外は来ないで、と伝えていた。食べる人がいない。しかもパンの消費期限は大半が翌土曜日。そこで折り畳み式テーブルを玄関先へ出し、パンを並べ、「ご自由にお持ち帰りください」と貼り紙をした。

拡大するパンが大量に送られてきたが、コロナ禍でさばけず道行く人に差し出した=4月24日、北九州市小倉北区の南小倉バプテスト教会

 日曜日昼。今度は泥つきの新鮮なタケノコを、友人一家が持ってきてくれた。谷本さんは、片付けずにいたテーブルに数本だけ置いた。

 その夕方のことだ。

 「えっ?」。予期せぬ光景が目…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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