よみがえった「家族いじり」の記憶 母の立候補、親友以外には言えず

 長男の十嗣(とうし)(16)が母、小畑仁子(きみこ)(44)の参院選挑戦を初めて実感したのは、立候補会見を開いた4月2日の翌日だった。

 日曜の朝、自宅でサッカー部の練習に行く準備をしていると、父が声を上げた。「テレビでお母さんが映っているよ」

 居間のテレビをのぞき込むと、白いジャケット姿の母が、緊張した顔つきでマイクを持ってしゃべっていた。

 フラッシュライトを浴びる母はまぶしそうにしていた。「すげえ。マジ? 母さんじゃん」

母が参院選に挑むことに困惑する子どもたち。友達には何と言えばいいのか、当選してほしいけど遠くに行ってほしくはない、疲れているお母さんが心配――など、様々な葛藤と向き合います。参院選宮城選挙区に立候補し、次点で落選した母、小畑仁子さん(44)との日々を8人のきょうだいの目線で追いました。

 4日前の夕食時、両親は突然、母が参院選に立候補すると子どもたちに告げた。

 十嗣は「俺も東京の大学に行きたいから、当選後に一緒に東京に住めるならラッキー」くらいにしか思っていなかった。テレビに映るほどの大ごととは、想像もしていなかった。

 直後のサッカー部の練習は…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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