アルペンルートが立山と秘境に人を運んだ 黒部ダム建設が観光資源に

 北アルプスの懐に高さ186メートルで日本一を誇る黒部ダム(富山県立山町)がある。春から秋、多くの観光客が訪れる。

 黒部ダムを経由する「立山黒部アルペンルート」が長野県大町市側と富山県立山町側を結ぶ。長野側からは関電トンネルでダムまで16分とアクセスが良い。富山側からもトロリーバスやケーブルカーを乗り継ぐことで、黒部ダムを訪れることができる。

 黒部の秘境に建設されたダムに観光客が入り始めたのは今から約60年前の1964年のこと。ダム完成から約1年後だった。

富山県から上がった不満の声

 しかし、当初は長野側から関電トンネルを使って入るだけだった。

 立山黒部アルペンルートの主要路線を運営する「立山黒部貫光(かんこう)」(富山市)によると、当時、ダムへの入り口が長野県側からのみだったことについて、関西電力などに対して異論の声が上がっていたという。

 ダム完成直前の63年5月、朝日新聞東京本社版朝刊の「盛り沢山の観光計画」と見出しが入った記事には、富山県と関電、長野県がダム観光を巡って対立した経緯が書かれている。

 記事はこのように紹介する…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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