イクメンの日に考える「育児と男性性の問題」 仕事と家庭の葛藤、語る意味は 言語化することで分かること(withnews)

『#父親のモヤモヤ』
「仕事も家庭も、何もかもが停滞している」。共働きの妻と、4歳の長女と3人暮らしの記者(40)は、仕事と家庭の両立に葛藤する日々です。一方、「ワンオペ」育児や負担の偏重に苦しむのは多くの場合、女性です。男女の賃金格差のような男性優位の社会構造もあります。男性の立場で、モヤモヤを吐露していいのか、常にためらいがあります。「恋バナ収集ユニット『桃山商事』」の代表で、文筆業の清田隆之さん(40)は、もうすぐ1歳になる双子の父親です。最近、男性「特権」について実体験を元に考察した『さよなら、俺たち』(スタンド・ブックス)も刊行しました。父親のモヤモヤ語りについて、ヒントを与えてくれるのではないか。そんな思いでインタビューしました。(朝日新聞記者・高橋健次郎) 【マンガ】こんな未来になったらな……子育ても介護も働き方も柔軟に「イクメンが変えたやわらかな世界」 【#父親のモヤモヤが書籍に】
昨年6月に始まった連載「#父親のモヤモヤ」が『妻に言えない夫の本音 仕事と子育てをめぐる葛藤の正体』というタイトルで、朝日新書(朝日新聞出版)から10月13日に発売されました。「イクメン」の誕生から10年。男性の育児が促される一方、葛藤を打ち明けられずに孤立する父親たち。直面する困難を検証し、子育てがしやすい社会のあり方を考える一冊です。詳細はhttps://amzn.to/2RhxPxw。刊行にあわせ、父親の子育ての現在地を考えます。

複雑な難しさを含む言葉

清田さんは、共働きの妻と家事や育児をシェアしています。オンライン取材は、むずかる双子の赤ん坊を交互にあやし、離乳食も食べさせながら行われました。インタビューに支障を感じることはなく、自転車に乗るように自然と子育てする清田さんに、日ごろの深い関わりがみてとれました。
 
高橋:「イクメン」が新語・流行語大賞のトップ10入りしてから10年が経ちました。「イクメン」という言葉を聞いて、何を思い浮かべますか。10月19日は、10(トウサン=父さん)、19(イクジ=育児)の語呂合わせで、「イクメンの日」とされます。 清田:このごろは言わなくなってきた表現ですが、育児を「手伝う」「参加する」くらいで、過剰にほめられる風潮は、どう考えてもおかしいですよね……。そこには「そもそも女性がするものを男性がしている」という前提があるわけで、これも男性「特権」の一種ではないかと思います。 一方で、社会の中では、「男は働くべし」という規範が強く、男性の育児にはアゲインスト(逆の)の風も吹いている。早く会社から帰る、飲み会を断る、ということを、出世に響くかも労働時間が少なくなるかもとおびえつつも、いろんな工夫をしながら積極的にやっている人もいるはずです。 そうした人に対して「男性が育児しただけでほめられるのはおかしい」という言葉を浴びせてしまうのもどうなのか……と、「イクメン」とは複雑な難しさを含む言葉だと思っています。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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