ウィシュマさんの死から2年 法要で妹ら悼む「姉の苦しみ分かって」

伊藤智章

 名古屋出入国在留管理局で亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)の遺骨が安置されている愛知県愛西市の明通寺で5日、法要が営まれた。妹2人も参列し、現在も続く国賠訴訟での「真相究明」を求めた。

 ウィシュマさんは2021年3月6日に亡くなり、この日は命日を前に約40人が参列した。

 収容中のウィシュマさんが支援者に送った手紙13通の朗読会もあった。「食べることも飲むこともできません」「今すぐに私を助けてください」と体の不調を訴える内容で、直筆のコピーも紹介された。妹のワヨミさん、ポールニマさんは口々に、「姉がどれだけ苦しんでいたか、分かってもらえるはずだ」と語った。

 妹2人らはウィシュマさんの死亡が確認された午後3時25分、これまでに全国の入管施設で収容中に亡くなった外国人を悼み、鐘を鳴らした。

 この数日、明通寺の坊守、北條良至子さん(69)による呼びかけに賛同した北海道から沖縄まで40カ所以上の寺や教会で、追悼行事が開かれているという。

 北條さんは、ウィシュマさんの骨を預かるよう依頼されて初めて、外国人収容施設の問題を知ったといい、「これほど亡くなっていたとは。罪深いことです」と語った。入管難民法改正案を政府与党が今国会に再提出する動きもあり、遺族や支援者から怒りの声も出た。

 妹らは命日の6日、名古屋市中区真宗大谷派名古屋別院(東別院)でも追悼する。(伊藤智章)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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