キディル、アートとパンク「強い服」でパリ公式デビュー

 日本ブランドのキディルがパリ・メンズコレクションに参加し、2021年秋冬の新作を映像で披露した。

 事前に東京・東雲のイベントスペースで、限られた観客を前に、モデルが歩くショーを開催。そのショー映像に、モノクロ映像を差し込んだり、スローモーションにして服の細部を見せたりと、編集を加えた作品を発表した。

 テーマは「Desire(欲望)」。米ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト、ジェシー・ドラクスラーと協業し、アートと融合したパンクスタイルを披露。大胆な筆致で描かれた人の顔のモチーフなどを、シャツやコート、パンツなどにとり入れた。デザイナーの末安弘明はショー後、「新型コロナウイルスで世界中が元気を失っているが、こういう状況だからこそ強い服を作らないといけない」と話した。作品はモノトーンが目立つが、「気分が沈むようなものではなく、白黒だけどポップにしたかった」。

 服は「人が着て歩くというのが、一番伝わりやすい」と、生のショーを観客に見てもらうことにこだわった。ミュージシャン灰野敬二による生演奏が、荘厳でダークな雰囲気を醸した。公式スケジュールでのパリ・メンズへの参加は、今回が初めて。「正直、東雲でパリ・コレをやっているから、実感はわかない。強気でいないと、新しいものは生まれない。新しいことやっていきたい」と末安は語った。(神宮桃子)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment