キャッチボール中に叫び声 流される男児見た大学生は

高橋孝二

 大雨で増水した用水路に転落し、流されていた小学1年の男児を救助したとして、岡山市中消防署は、環太平洋大1年の三木果南実さん(18)と、河原亜優さん(19)に表彰状を贈った。2人は大学のソフトボール部に所属している。

 7月7日夕、2人は大学に近い岡山市中区長岡の公園でキャッチボール中、大声で叫ぶ子どもの声に気付いた。駆けつけたところ、用水路(幅4メートル、水深0・7メートル)に男児がうつぶせで流されていた。叫んでいたのは、男児と一緒に遊んでいた子どもだった。

 2人は連携して小学生を引き上げ、気を失っている男児に高校の授業で学んだ心肺蘇生を実行。「大丈夫」と呼びかけながら、横向きに寝かした男児の背中をたたいたという。

 岡山中央署などによると、男児は自転車ごと誤って転落し、約65メートル流されていた。2人は近くを通りかかった女性に119番通報を求め、到着した救急隊に男児を引き渡した。

 その後、保護者は搬送先の病院で医師から「救助が1、2分遅ければ生きていなかった」と言われたという。男児はその後に無事退院し、保護者は同署を通じて「迅速に救助してくれた2人には感謝してもしきれない」とお礼の言葉を寄せた。

 2人は「男児が元気になってよかった」と笑顔だった。救助した時を振り返り、最初は動揺したものの「すぐに勇気を出して行動に移した」と話した。(高橋孝二)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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