クリスマス彩るケーキが高値 31年ぶり高値水準の卵価の背景とは

 鳥インフルエンザの感染拡大が止まらない。農林水産省は23日、「拡大のスピードが早い」として、全国の養鶏場の緊急消毒に乗り出す方針を決めた。鶏の殺処分もあって、鶏卵の卸売価格も31年ぶりの高値水準になっており、需要が高まるクリスマスケーキにとっても受難の年末になっている。前川浩之

 1キロ300円(Mサイズ、東京)――。JA全農の鶏卵の卸売価格が12月20日、300円台にのった。卵はここ数十年間、価格水準が大きく変動せず、「物価の優等生」ともいわれているが、300円台は1991年3月以来31年ぶり。前年比143%の水準だ。ウクライナ情勢で輸入飼料が高騰する中、さらに季節柄、クリスマスケーキやすき焼き、おでん向けの需要が重なり、価格を押し上げているという。

 「卵などの材料費が1~2割上がった。今年はクリスマスケーキを作るのをやめようかと考えたほどです」

 1884(明治17)年創業の「近江屋洋菓子店」(東京都千代田区)の5代目社長、吉田由史明(よしあき)さん(31)によると、毎年2千~3千個売るクリスマスケーキはほとんど利益が出ないという。日持ちしないので一気に作る必要があり、売れ筋の焼き菓子など他の菓子を作る工程を調整せざるを得ず、利益を圧迫する。

 だが、今年も昨年と同じ値段…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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