コロナで実感、青木美沙子さんがロリータ兼ナースな理由

 モデルの青木美沙子さん(37)は、ロリータ・ファッションのカリスマ的存在として、国内外で絶大な人気を誇る。でも実は、現役17年目のベテラン看護師でもある。華やかな世界で活躍しつつ、地道に訪問看護の仕事を続ける理由とは――。コロナ禍で再認識した「看護師の魅力」について語ってもらった。

いつもは千葉で訪問看護

 千葉で訪問看護をしています。私が訪問する方の中にコロナの患者さんはいなかったんですが、むしろ自分が患者さんに感染させてしまわないかが不安でした。毎日熱をはかったり、出かけるときはマスクをつけたり。モノの表面にもウイルスが残るって話があったじゃないですか。なので、ナースバッグは患者さんの近くに置かずに聴診器とか必要なものだけを部屋にもっていくとか、長めのおしゃべりはしないとか気をつけていました。看護師として、当たり前です。

拡大する看護師として働く青木美沙子さん(本人提供)

 訪問看護のお仕事は週3日、1日に7軒くらいまわります。入浴のお手伝いとか、褥瘡(じょくそう)の処置をしています。コロナでも看護師の仕事への影響はあまりないんですが、モデルの仕事への影響は大きく、イベントの仕事はゼロになりました。でも、生活はしていかないといけない。本当に看護師でよかったと思いました。必要とされる仕事をしてお金をもらえる。ありがたみを感じています。

浮き沈み激しいモデル業

 手に職をつけたくて、看護師になりました。最初の5年間は大学病院で働き、一通り仕事を覚えたなっていうときに、外務省の「カワイイ大使」に任命されました。このときから、モデル8、看護師2の割合で仕事をしてきましたが、コロナの影響でその割合が逆転しました。

 モデルの仕事って、浮き沈みが激しいのはわかっていましたが、イベントもお茶会も中止中止で、あっという間になくなっちゃいました。毎週のように中国とか海外にも行っていたんですが、何千人、何万人と人が集まるイベントなんて開けません。海外が遠くなりました。

 私は日本ロリータ協会の会長もしていますが、ロリータって特殊な仕事で「アングラ」なんです。一般的じゃなく、偏見も多いってことです。いつもマカロン食べてるの? コリン星から来たの? そんな質問はうんざりするほどされました。

拡大するロリータファッションを世界に発信する青木美沙子さん=2019年12月、東京都渋谷区、恵原弘太郎撮影

マッチングアプリでもなのか!

 でも、看護師はアングラとは逆の世界。めちゃくちゃ一般的です。みなさんも看護師って言われると、良い印象を持つんじゃないですか。「看護師です」と一言加えるだけで、「ちゃんとしている人」認定されます。

 真剣にロリータの恋愛や結婚についてリサーチしようと、出会い系のマッチングアプリを利用したときもそうでした。ロリータを前面に出すと、全くマッチングしないんです。なのに、看護師を押し出すだけで、かなりの数の反応が来ました。同じ青木美沙子という人間なのに。

 ようは看護師って、それくらい社会的に認められている職業だということです。世間の印象が良い仕事と悪い仕事。私はそのはざまに生きています。

拡大する看護師として働く青木美沙子さん(本人提供)

 もちろん、モデルの仕事も楽し…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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