コロナ休館中、「無観客」で演じるラッコの高速スピン

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、臨時休館している鳥羽水族館(三重県鳥羽市)。いわば「無観客」の状態だが、そんな時だからこそフィギュアスケーターも顔負けの美しい高速スピンを惜しげもなく披露してくれる生き物がいる。

 ラッコのメイは2004年5月に鳥羽水族館で生まれた。体長は130センチ、体重は20キロ。エビやカニ、貝が大好物のメスだ。

 メイが動き出すのは、たいてい飼育員が出勤し始める午前7時ごろだという。

 水槽の中で頭を下にして勢いよく回り始めたと思えば、次は頭だけ水の上に出して高速でスピン。途中でひねりを加えたり横向きでスピンしたりすることもあり、興に乗ってくると自分で手拍子まで入れてくる。

 飼育研究部の石原良浩次長(58)によると、エサを与える際にもメイはスピンするが、その速度は格段に遅いという。

 「高速のスピンはひとり遊びの一種でしょうが、なぜあれだけ速く回るのかは不明です」と石原さん。

 実は、誰かに見られていることに気がつくと、メイはスピンをやめてしまうという。なので、通常営業中はめったにお目にかかることがない。

 臨時休館中、高速スピンするメイを偶然見つけた飼育員が物陰から動画の撮影に成功。この様子は鳥羽水族館のツイッターにアップされている。

 ツイッターを担当する企画広報室の榊原麻友さん(24)は「あんなに速く回れるなんて、本当にフィギュアスケーターみたいと思った。びっくりしましたが、とにかくかわいい」と話す。(安田琢典)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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