コロナ禍の大学生、2年生は孤立しがち 同世代と会えず

 無気力、落ち込み、孤独――。長引くコロナ禍が大学生の心理に深刻な影響を与えていることが、全国大学生活協同組合連合会が10日公表した「コロナ禍の大学生活アンケート」で分かった。昨春の入学時から対面授業が少ない状態が続き、同世代と会える機会が少ない2年生で、特に顕著という。

 調査は大学生と大学院生を対象にウェブで行い、7637人が7月に回答した。「不安に思っていること」を複数回答可で尋ねたところ、「将来に対する不安」が全体平均で66・7%(2年生は74・1%)、「意欲がわかず無気力」が45・3%(同51・4%)、「気分の落ち込み」が41・6%(同47・1%)、「友人とつながれていない孤独感・不安」が33・0%(同39・2%)だった。「生きていることが嫌だと感じる」は19・5%(同22・7%)、「自分の居場所がないと感じた」は18・7%(同24・3%)だった。

 「体調で気になること」については、「やる気が起きない」が44・6%(同49・8%)、「ストレスを感じる」が37・6%(同43・2%)、「不眠」が20・8%(同24・1%)だった。

 「友人の数」は、「5人未満」が2年生は35・1%で、31・2%だった1年生、19%台だった3、4年生と比べて少なさが目立った。2年生ではこのうち「0人」が7・3%で、1年生の5・8%よりも深刻だった。同連合会が昨夏に行った同様の調査では1年生が突出しており、「5人未満」が69・9%、うち「0人」が27・7%。1年たってもその影響がみられるという。

 「大学に対応を強化してほしいこと」は、「学内で同級生とつながることができる機会づくり」「課外活動(サークル・部活)の再開・活性化」「学内で先輩とつながることができる機会づくり」が全体平均で4割前後と高かった。対面で「つながる機会」を求める回答は1、2年生で特に高かった。

 自由記述でも「気分が落ち込んで夜中に泣きながら課題に取り組んだことも多々ある」「同級生のことが全く分からないので、自分は勉強が足りていないのではないかと不安」「2年生が一番酷。人生でいちばん楽しい大学生活がいちばんしんどい生活に変わり、大学に来なければとさえ思う」「大学生活がこのまま、何もできないまま終わってしまうのかなぁという不安がある」(いずれも2年生)など、心理面の苦しさを訴える声が寄せられた。

 オンラインで記者発表に参加した明治学院大2年の青島直紀さんは「3日間ぐらい、布団で寝たきりというか立ち上がれなくなったことがあった。コロナを恨み、独りなんだと思ったり自己嫌悪になったり」と体験を話した。精神疾患を発症した友人もいるという。

 学生の中退予防に詳しい山本繁・大正大特命教授は2年生が孤立しがちな状況について「昨春の入学後、キャンパスへの入構やサークルなどの課外活動が制限され、授業もオンライン中心で進められてきたケースが少なくない」と理由を分析する。

 対応策として、「人間関係をつくりやすいように、大学はオンラインでも対話ができる小グループの仕組みを活用し、人間関係を深めることを主な目的とする対面の場も設けてほしい。リポートにコメントを付けて返す、学生の名前を覚えて授業中に呼びかける、などの好事例を集めて教員の研修を充実させることも重要」と話している。

 調査の概要は同連合会のホームぺージ(https://www.univcoop.or.jp/covid19/index.html)で。(上野創、編集委員・増谷文生

大学生の声

(全国大学生活協同組合連合会…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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