現場へ! まぜこぜ社会 前へ①
昨年のクリスマス。東京都多摩市のフットサルコートで、障害児と健常児がまぜこぜになってサッカーを楽しむイベントが開かれた。歓声を上げながらコートを走り回る。障害の有無など忘れてしまう躍動感だ。
「ウォーキングフットボール」の部で、歩行器を駆使して懸命にボールを追う少年がいた。相模原市の高校1年生、中村康佑(こうすけ)さん(16)。脳性まひのため車椅子生活を送りつつ、地元の障害者サッカーチームに所属している。母・美希さん(44)は「とにかくサッカーに夢中。張り切っていますね」。満面の笑みだ。
2016年から日本障がい者サッカー連盟(JIFF)が開催する「インクルーシブフットボールフェスタ」。障害者サッカーの7競技団体やJクラブと連携し、障害の有無に関係なくサッカーを楽しめるプログラムを準備した。
回を重ねるごとに参加者が増え、今回は102人。協力するJクラブも最多の8チームだった。JIFFの山本康太・事務総長が目指すものを語る。「サッカーを楽しみたい障害者にしっかり入り口を示すこと。そしてJクラブが体験を持ち帰り、インクルーシブ(すべてを包みこむよう)な場を地域に作ることです」
地域に根ざした活動に力を入れるJリーグの鈴木順・社会連携室長も「共生社会を目指すことも重要な地域貢献。取り組みが進んで欲しい」。期待を寄せる。
一つの形が、FC東京が小学生を対象に19年に始めた「スマイルサッカー教室」だ。月に1度、毎回定員20人を超える申し込みが続く。延べ283人の参加者は個性豊かだ。健常児も障害児もいて、不登校の子、サッカーをあきらめた子もいる。
発端は、19年春にJIFF…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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