ジェンダーの話って自分に関係ないと思ってる? 相談4千件の気づき

 多様な性の平等を推進するために東京都国立市が設置した「くにたち男女平等参画ステーション・パラソル」が、開設から5年を迎えた。活動の中心は「生きかた相談」などの相談事業だ。今月は多様な性のあり方を祝福する「プライド月間」。ステーション長の木山直子さん(53)に話を聞いた。

 JR国立駅から徒歩1分。中央線高架下にある「国立駅前くにたち・こくぶんじ市民プラザ」の一角に、パラソルはある。2018年4月に施行された多様な性の平等を推進する条例に基づき、同年5月に開設された。コワーキングスペースなどを運営する株式会社シーズプレイス(立川市)が、市からの委託を受け、相談事業や、ジェンダーや人権に関する講座や動画配信などを行っている。

 「ジェンダーの話って、自分に関係ないと思っている人は多い。でも、相談の根底にはいつも、それぞれが持つジェンダー規範が関係していると感じます」

 ステーション長で、相談員でもある木山さんは、この5年の印象をそう話す。

 パラソルでは、弁護士による法律相談や、「SOGI(性的指向・性自認)相談」などの専門相談のほか、事前予約なしでも対応可能な「生きかた相談」を行っている。これまで寄せられた相談は、のべ4千件以上。夫婦・親子関係、職場や近所での悩みなど、さまざまな「生きづらさ」に耳を傾けてきた。

 生きかた相談は、ジェンダーにテーマを絞っていない。ただ、「相談を受けていると、性別にとらわれず、生きている人はいないと改めて感じる」。女、男、母、父、息子、娘――。「みんな何かしら、幼い頃からすり込まれた規範がある」という。

■「自分で人生を決めてこれな…

この記事は有料記事です。残り1917文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment