スノーデン文書に何が 政府の秘密暴露、今アクセス禁止

 米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン氏が持ち出した、いわゆる「スノーデン文書」が、全容が解明されないまま「お蔵入り」となる危機に直面している。米政府による情報監視の実態などを暴露し、世界に衝撃を与えた文書だが、保管する米報道機関が文書の管理部門を閉鎖してしまったという。いまはジャーナリストらが文書にアクセスしようにもできない状態だ。何が起きているのか。

スノーデン文書とは?

 スノーデン氏は2013年6月、米国家安全保障局(NSA)から持ち出した大量の機密文書のデータを、英ガーディアン紙のグレン・グリーンウォルド氏らジャーナリストに託した。

 文書データは大量にあり、米政府は当時、「約170万点の機密ファイルが盗まれた」と試算し、「米国史上最大の情報漏洩(ろうえい)」としていた。

 ガーディアン紙などは文書を解析し、米政府によるネットや電話の大量情報収集、市民への監視の実態などを次々に暴露。NSAが、米国内外のあらゆる一般市民の通話記録やメール、検索履歴などを収集していたことや、アップル、グーグル、フェイスブックなど米IT大手が利用者の個人情報を米政府に渡していたことなどが明らかになった。

 裁判所の令状なしに、犯罪とは無関係の一般市民に一気に網をかけ、大量の情報を集める――。テクノロジーを利用した極秘の監視活動というやり方も世界から批判を浴び、影響は各国に飛び火した。

 報道を続けたガーディアン紙には、英当局からの圧力が強まった。本社に立ち入られ、データが入ったパソコンは破壊を命じられた。米国では大きな批判を受け、2015年、情報収集に一定の歯止めを設ける法改正が行われた。

 スノーデン氏本人は、秘密漏洩の罪で13年に米検察当局に訴追され、いまはロシアに亡命中だ。

文書をネットにさらせない理由

 グリーンウォルド氏らは13年秋、文書を元に調査報道をするメディア「インターセプト」を米国で設立した。出資したのは、ネットオークション大手「イーベイ」創業者で、市民運動やジャーナリズムに熱心なピエール・オミディア氏だった。

 インターセプトは、内部告発サイト「ウィキリークス」などのように、内部文書をそのままネット上にさらすことはしなかった。文書へのアクセスを希望するメディアや研究者が現れれば、セキュリティー上の手続きや報道の仕方などの合意文書を交わした上で、利用を許可するやり方をとった。

 なぜか。そこにはスノーデン氏自身の強い希望があったという。

 インターセプトの担当者による…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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